MacのLionの音はおかしい?

dual monoのD-Premier Air で聞き始めてから,なんとなく音がしっくりしない.今日,Kiri Te KanawaのFolk Songs & Ballads(1984)を聞いたところ,妙に音がやせて,高音は甲高い.高性能の機器で聞くとこんな風になる録音だったのか,dual monoだと音がかえって悪くなるのか,あるいは部屋の音環境が悪さをしているのか.などなど,いろいろ犯人捜しをして見たものの,よくわからず,こんなものかとあきらめ始めていたとき,Snow Leopardを載せた別のMacBook Airで聴いてみた.こちらは仕事で使っていて,それを損なうようなことがあれば一大事なので,オーディオにはもっぱらLionのMacBook Airを使っていたのである.どちらも同じWiFiローカルネット上のTime CapsuleにあるiTunesライブラリを使用する.したがって,MacBook AirのハードウェアとOS以外の条件は全く同一である.これまで両者の音が違うなんてことはあり得ないと考えていた.しかし,実際に試してみないとわからないのがオーディオである.

我が耳を疑った.違うのだ.Snow LeopardではKire Te Kanawaの優しさ,暖かさに音がふんわり包み込まれる.これこそ遠い昔に聴いた思い出にある音だ.かたや,再度Lionで聴くと,歌手の像がぼけ,どこから音が出てくるのか音像を確定しにくい.その上,音が痩せて高みに流れ,高音が癇に障る.そして聞き疲れがする.

あわてて他の曲も聞いてみた.全体的にLionではステレオイメージのフォーカスが甘いというか,複眼視(double vision)の音バージョンのような感じである.それに対し,Snow Leopardでは一音一音が明晰で美しくふくらみがあり,存在感と自然さがまるでちがう.

OSのバージョンの違いだけで,なぜこれほどの音の差が現れるのだろう.以前,iPadでリモートコントロールすると音が悪くなると書いたが,そのケースと同様,不思議である.iPadやLionのiTunesはデータの流れを制御するだけではなくデータそのものをいじっているのだろうか.

オーディオ雑誌で,プロの間ではLionの音の評判が悪く,使わない人が多い,というような記事を読んだ記憶がある.Lionのオーディオ関連ソフトはどこかおかしいのかも知れない.Devialet AirのストリーミングプログラムもLionの上ではよく落ちるし...ソフトのバージョンアップはしばしば進化ではなく退化,劣化を招くことがあるようだ.困ったことだ.

と,ここまで書いて公開したのち,ふとAudio MINI設定が関係しているかも知れない,と思い立ち,試してみた.フォーマットを16bitだったものを24bitに変更すると,Snow Leopardでは変わりないがLionでは変わった.よくなったのだ.そしてSnow Leopard(16bitと24bit)と同じ音質になった.上で述べた不快感はなくなった.iTunesが何をするのか全くわからないが,どうも出力データをなにかしら操作しているようだ.もしそうならば,OSの問題ではなく,iTunesの問題なのかも知れない.不思議なソフトだ.このような不可解な現象を避けるために,ミュージックデータのコードはAIFFではなくFLACにする方がいいのかもしれない.

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