iPadでのiTunesの遠隔操作は音を劣化させる?

手持ちのiPad(2010年に発売された最初のバージョン)でiTunesを遠隔操作することによって,Devialet AIRによりTime Capsule内の音楽ファイルをD-Premier AIRに送り込む,というシステムを試みた.便利さ(と格好良さ)だけでなく,McBook AIRを目の前に置くとかすかといえファンの音がするし,また,電磁場の影響も考えられ,それらを避けてみたかったからである.

久しぶりに使ったiPADのユーザインタフェースの秀逸さには改めて驚かされた.Steve Jobsの天性とも言える感性がそこに結晶しているようだ.しかし,彼の鋭敏な感性は視覚に対してであって,聴覚に対してはそれほどでもないようだ.理由は判然としないのだが,iPadでリモコン操作した音は,MacBook Airで直接再生する音に比較すれば,どことなく重く,痩せていて,深みと広がりに欠ける.たとえば,直接再生での女声は歌手の暖かい息吹までも感じ取れるが,iPadによる遠隔再生では,声が中央に細く狭く屹立し,音の立ち上がりは鈍く,残響も乏しい.ちょうど,AIFFとAACの関係に似ている,と私には感じられた.

iPadのremoteというアプリを使用したのだが,これがなにをするのかがよく分からない.単純にMacBook AirのiTunesを制御するだけならば,曲のファイルデータをNASからとりだしそのバイナリデータをDevialet AIRによってD-Premier AIRにストリーミングするだけのはずだから,バイナリデータとしては違いが生じないはずである.しかし,(すくなくとも私の耳では)スピーカから出る音の違いはかなりはっきりしている.iPadのremoteあるいは遠隔操作されるiTunesがなんらかのデータ処理(たとえば圧縮)をしているのだろうか.そうだとすれば,それはなんのために? ネットで検索してみてもこれに関する記事は見つけられなかった.

不思議である.

コメント

人気の投稿