ミュージックファイルの利点とそのお値段

 大分以前から、殆どの音楽ソフトはネットからのダウンロードでファイルとして購入している。なにせ、File Audiophileを自認しているくらいだから(^_^)。

 ここ数年は次のような手順で行っている。

(1)販売サイトで所望の楽曲を見つける。最もよく使うサイトはもPresto Music。他に、mora、e-Onkyo musicなど。HDtracksも覗いてみるが、気に入ったものがあっても、大抵は相変わらず日本では売ってくれない。

(2)ファイルのダウンロード。単独楽曲の個別ファイルを買うことは殆どなく、アルバムとしてのフォルダをまるごと買う。moraとe-onkyoでは専用のアプリが用意されている。Prestoはそういうものはなく、Zip化されたファイルのダウンロードなので、解凍を含めやや時間が掛かる。いずれもflacファイルが多い。ハイレゾ版があれば値段は嵩むがそれを選ぶ。MP3は、昔はともかく、まず買わない。

(3)XLDを使い、ダウンロードしたファイル(flac以外のmp4などを含め)をaiffに変換して、Roon Coreを持つMacBook Air 2020の「ミュージック」フォルダの下に作る新フォルダに格納する。flacでは再生時リアルタイムで解凍をするので、それを避けるためここで前もってaiffに変換しておくことで、再生時のCPU負荷を軽減する(↓脚注参照)。ミュージックファイルのディレクトリ構造は、

 「ミュージック」 → 購入元名 → アーティスト名 → アルバムタイトル → 曲名

を基本としている。「購入元」はダウンロードならば販売サイト名、CDなどのディスクならばリッピングに使用したソフト(これもXLDをよく使う)である。手持ちのソフトを探すのに便利なようにこのような構造をとったが、Roonを使っている今となっては、Roonの優れた検索機能を使えばいいので、ファイルを探すための整理構造としての意義はもはやほとんどない。逆にRoonのアルバム一覧表での操作で各ファイルの所在がすぐ分かるので、何らかの理由でファイル自体を操作したいときにはこの機能が即役立つ。ダウンロードしたファイルをXLDが読み込んだとき、XLDの使っているクラウドのメタデータベースに該当するものが見つかれば、そのメタデータが自動的にファイルに付けられる。ない場合は厄介で、Roonのライブラリに格納された後、editorにある"Identify Album"で探すことになる。それで駄目ならば、手入力せざるを得ないが、かなり厄介で、したくない作業だ。

 運悪くメタデータを手入力しなければならない事態に陥らなければ、以上の作業に要する時間はほぼ30分以下であろうか。作業といってもほとんどがクリックでいいし、Roonで再生する楽曲を聴きながら出来る。(3)が終わってRoonの「ホーム」を見れば、「最近のアクティビティ」の最初のアルバムとして表示される。Prestoではダウンロードファイルの一つとしてアルバムのアートワークも入っているから、それを楽曲ファイルと同じフォルダのもとにいれておけば、アルバムのアートワークとして表示される。そのアルバムを開いて、曲名やクレジットを確認し、必要があれば補足、修正して終わる。曲名、アーティスト名、作曲者名などはライブラリ内外の情報ソースに相互リンク接続されて、なにかと便利で楽しい。Music Memexである。

 昔と違って今のハードウエアの信頼度と耐久性は極めて高いが、それでも万が一の災難を考えると、ファイルのバックアップは重要だ。購入したファイルはいつでも再度ダウンロードが出来るので、サイト自体がバックアップになっていると見なすことが出来る。リッピングの場合は、ディスク自体を最終バックアップとして保存しているが、場所をくうのが厄介だ。Time Machineも使っていて、これが機能するならば、復旧には最善最速の方式だろう。

 昨年から今年にかけて3ヶ月間アンプが使えず、そのせいもあってしばらく音楽ソフトを物色する意欲を亡くしていた。先日、友人に勧められて久しぶりにPrestoのサイトを見ると、ダウンロード出来るファイルの値段が大分下がっていることに気がついた。以前はCDの値段を上回っていたが、いつのまにか下回るようにさえなっているものがある。ハイレゾさえそうだ。例えば、下図参照。


驚いたことに、下図の例さえある。


 では、moraやe-onkyoはどうだろうか?ざっと見だが、以前と変わらず高いままのようだ。

 ディジタルファイルは、単にサーバに置いておけばいいのだから、材料費もないに等しいし、掛かる手間もはるかに少なく、システム作りなど初期費用もとっくに償却したはず。単純に考えれば、Prestoのこの動向は当然なのではないかと思える。他のサイトも見習って欲しい。File Audiophileのひとりとして特に。

 財布を傷めない、という観点から見れば、サブスクによるストリーミングを使うのがよりよいが、音質にいまひとつ信頼が置けないことと、日本では正統な手段ではアクセスが制限されるものが多いので、いまもって使う気がしない。それにやはり自分のものを持つ、という根深い所有欲から完全に離脱するのはむずかしい。合理性からいえば無意味なのだが。

 自分のライブラリを改めて見直して見た。一番古いアルバムの作成日は2006年12月7日だった。それ以来延々と歴代のマックに載せて引き継いでいることになる。愛着が湧き、所有の喜びがある。我ながら単純なものだ。昔から整理整頓がまるで不得手な人間にとって、Roonのライブラリ機能のありがたみを改めて感じる。

 (脚注)flacとaiffの再生音質の差は微妙である。私の耳では、何度も繰り返し試聴を繰り返してみて、そういえばやはりaiffのほうが細部で鮮やかかな、と感じる程度である。リアルタイムの解凍でM1チップは十分速いと言うことだろうか。また、XLDでaiffに変換するときにアルバムの同定が出来ないとき、曲名などのメタデータが得られず、その場合、Roonで同定が出来ればいいのだが、それも駄目な場合、メタデータを何らかの方法で入力しなければならず、厄介なことになる。しかし、flacのままでよいとすれば、ダウンロードしたものをそのままRoonのライブラリ対象にすれば、ファイル名に付けられた曲名などがそのまま使われるから、この問題は生じない。XLDが、変換時に曲名の同定が出来なければファイル名を使ってくれればそれで済む問題だが。

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