改めて知る 音の楽しさ

 Devialet Expert 1000 Proへとアップグレードした拙システム(μJPS3.0)をずっと聞き続けている。まず入力のどれが良いか、聞き比べることから始めた。(1)WiFi (2)USB (3)有線LANの3種が利用できる。長時間に亘って本格的にテストしたわけでなく、印象論だが、(1)< (2) < (3) の順で良いように思う。(1)は音が薄く、ほんの少しだが、煤けた感じがある。(2)は(1)よりずっとすっきりするが、(3)の持つエネルギー感溢れるダイナミズムが物足りない。ということで、以降はずっとLAN接続で聴くことにした。

 アップグレードしてもっとも強く感じたのは、音の立ち上がりでの馬力ある弾性を含む瞬発力、そして音の裾野に広がる幽かな余韻の明晰な描写力である。前者は、リズムが心を突き上げ鼓舞する。後者は、余韻の広がりが想いを遠い世界へと導く、音そのものが、言語では決して表現できないメッセージを強く訴えかけてくるのだ。しかし何よりも強く感じるのは、無垢な音が持つ美しさとそれのもたらす喜悦である。音楽、つまりは「音の楽しさ」を改めて知らされた思いがする。考えてみれば、オーディオを通じて、この境地を私はずっと追い求めてきたのかも知れない。

 有線LAN(Ethernet)の利用については、以前 Devialet AIR(というDevialet社のソフト〕を使って利用しようとして大分苦労した。パソコンとDevialetアンプとをLANケーブルで直接接続するアドホック接続が可能との説明がDevialetのサイトにあり、実際、アンプがD-premierのときは出来たのだが、D-premier AIRにバージョンアップし、Devialet AIRを使用したところ、それが出来なくなった。問いあわせメールのやりとりを何度も繰り返したが、埒が明かず、以来、有線LANは使用しないできた。しかし、今回のバージョンアップではどうか。試したところ、やはりアドホック接続は出来ない。しかし、拙宅のマンションは比較的新しいので、じつはLANケーブルが壁の中に引き回されいて、各部屋の要所要所に「マルチメディアアウトレット」なるものが用意されてあり、そこにLANの接続口が付いている。ケーブルの引き回しが長くて複雑化するのが気になるが、試してみることにした。結果は、上に述べたように、USBケーブルによる直接接続よりも、〔少なくとも音の感覚的には〕具合が良い。確かに、LANはWiFiやUSBよりも伝送速度は速い。また、USBにはないエラー訂正機能もある。その意味でデータ転送の正確性と安定性では他よりずっと優れていることは確かだ。しかし、それが、音質のような微妙な違いとなって現れるとは考えにくい。電磁場によるアナログ的な影響がなにかしら関与しているのだろう。


μJPS3.0
(両側スピーカはSonus Faber Serafino。中央2台のアンプがDevialet Expert 1000 Pro)

上図の左側壁から中央の左側アンプ(マスタ−)までLANケーブルを接続し、この画面の反対側、つまり後ろに置いたMacBook Proに左壁奥のLAN接続口からのLANケーブルを繋げている。こうして通常のいわゆるLAN(構内ネットワーク)にMacBookProと新アンプを接続したわけだ。ほかにこのLANには隣室でAirMac Netも接続しているが、これはWiFiサーバ兼MacBook Proのバックアップ用として(LANでなくWiFi経由で)使っている。今回使用したLANケーブルはいずれもDELA C1AE。なお、画面中央のテレビはSONYの45インチ液晶テレビで、アンプには光ディジタルケーブルで音声出力を接続している。右壁にもLAN接続口があるので、いずれテレビもLAN接続する予定。65インチの4K、有機ELテレビに変えようと考えているが、いつのことになるか。

 LAN接続したことによるメリットのひとつは、Roon RAAT(Roon Advanced Audio Transport)がフルに活用できるようになったことだ。これにより、ミュージックファイルのレンダリングで。MacOSに組み込まれたCoreAudioを使うことなく、Roonのレンダリングソフトが使用される(と推察する)。USBより音がよい理由になっているのかも知れない。しかし、RAATの利点はTidalなどネットの購読ストリーミングシステムが容易に利用できることで、ある意味そのために今回のアンプのアップグレードを行ったようなものなのだが、いまのところ、まだ利用していない。相変わらず日本からの購読が(正常の方法では)出来ないためだ。

 それにしてもRoonを使うことは楽しい。少しずつではあるが、絶えず進化しているのもうれしい。さらに希望したい機能拡張としては、(1)リッピング、(2)クラウド化、である。リッピングについては先に述べた。クラウド化されれば、自宅外の出先で、自分のライブラリ、あるいは購読ライブラリを楽しむことが出来るし、友人との音楽談義のネタに使える。ある日突然のバージョンアップで実現されることを夢見ている。

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