紗の効果

リスニングルーム前面の壁とアンプの上に紗を掛けてみた.下の写真に見る青と黒の布である.正確には「紗」ではなく,70%レーヨン,30%絹のモーダルシルクである.近所に出来た無印良品点を覗いてみたらストールとして売られていた.

鉄筋コンクリートの壁面とアンプの広い金属面は,その反射音がホログラフィック音場空間を乱すに違いなく.対策の一案として,紗で和らげることを以前から考えていた.さっそくテストしたところ,響きがマイルドになり,こくが出て来た(ように思う).大げさに言えば,高音のとげとげしさが消え,響きが優しくなる.すくなくとも,妙な癖がつくという悪影響はなさそうだ.しばらく使ってみようと思う.


写真で見るように,床面に敷いた段通を以前より前方にずらし,その上にスピーカを載せるようにした.響きが優しく滑らかになったのはその効果もある(ように思う).スピーカの位置は以前と変わらず,例の白銀比を保っている.黒布が被されてせっかくの美しいD-Premierが見えなくなったのは残念だが,そばによると,紗を透かしてくっきりとディスプレイが見えるのもまたいいものだ.その両側に置いたスタンドは視覚効果をねらっただけで,音響的な意味はない(つもり).夜になれば,明かりはこのスタンドだけにして,左右スピーカと壁面の間に展開する音響空間を引き立たせる.まさに極上空間,かな?


前面左角にある置き台の中段に座ったドンキホーテ像の横に黒い箱が立ててあり,これがNEC AtermのWiFiルータで,Devialet AIRで受けるWiFi信号は -28dBm となっている.かなり強力だ.そのせいもあるかもしれないが,ここ数週間,WiFiの障害による異常は見られない.ただし,ごくまれにDevialet AIRアプリの接続が切れることがあり,システムログを見ると,その原因はKernelのIOAudioStreamのerrorと記されていることが多い.Devialet AIRアプリがこのエラーを引き出すのか,あるいはiTunesの下部ルーチンが引き起こすのかはわからない.この頻度も以前に比べて非常に少なくなり,数日に一回あるかないか程度になっている.この「改善」は先日iTunesが11.1.5にマイナーチェンジされた結果かもしれない.

写真は,RX1rで撮ったものがEiFiによってWiFi経由でiPhoneに送られ,そこからMacBook Pro RetinaのiPhoteにフォトストリームとして自動的に入ったもの.この間,結線などの操作はなにもなく,わずか数分ですむ.これでも便利と言えば便利だが,やはりデジカメはそれ自体にWiFiとGPS機能が備わっているものがよい,とこの頃つくづく思う.それに,RX1rのシャッターが降りるまでの時間が遅いのも気になる.スマホの撮影ならば,その無数のアプリとの結合も容易なので,そのカメラ性能が今後さらに向上すれば,デジカメ業界は高級機といえども太刀打ちできなくなるのでは...と余計な心配をしている.オーディオ業界でも今後ファイルオーディオが伸びるに違いなく,それに追われてディスクプレーヤは衰退していくだろう.もっとも真空管アンプやLPプレーヤと同じく全く消えてしまうことはないだろうけれど.

技術の世界でも栄枯盛衰は世の習いで,是非もないことだ.願わくば,オーディオ業界,というか,オーディオ文化だけは衰退することがないように.そして,卑見では,ファイルオーディオこそがオーディオ文化の正統性を受け継ぎ,さらに進化,発展させるものだろう.

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