しゃっくりの原因は?

前稿を公開した後,ほぼずっと演奏を続けてきたが,突然死もしゃっくりもまったく出ない幸せな状況が続いた.10時間だろうが,10日間だろうが,ほっておけばいつまでも正常にプレイし続ける.しかし,2日前,何がきっかけになったのかわからないが,しゃっくりが出始めた.5ないし10分おき位に音切れが生じるのだ.せっかくの事象発生なので,どうすれば正常に戻るのか,慎重に試してみた.すると,AIRアプリやiTunesの再起動でも,また,OSの再起動でもしゃっくりは治らない.問題はパソコンのプログラムにあるのではないらしい.しかし,D-Premier AIRを再起動するともとの正常状態になった.それ以来,しゃっくりは出ていない.やはりファームウェアのバッファ管理になんらかの問題がありそうだ.もし症状が出てもアンプを再起動すればよいことがわかったので,現在の拙システムでは安心して音(音楽)を楽しめる状態になっている.

そこで,この状態に甘えて,いま現在,ルータからのLANケーブルをパソコンからはずしてパソコンとルータ間にWiFiを使う状態にして,音楽を聴きながらブログを書いている.PolliniのChopinがすばらしく,思わず聞き入ってしまう 長時間,たとえば数日以上,使用し続けないとわからないが,いまのところ,なんの異常もなく,音質も問題ない.もしこの状態がずっと続くようならば,WiFiの不安定が原因とした前稿の議論はあまり当てにならないことになる.

と書いたあと,おなじSSIDのWiFIを使っているiPhoneで地図画像をダウンロードしたところ,Devialet AIRの接続が切れた.パソコンとルータの間の送受信に長時間(数秒)の割り込みが入り,対処不能のエラーが生じたからだろう.やはりWiFiの不安定性が突然死の一因になっていることは確かだ.このような場合にも対処せよとプログラムに要求するのは無理なはなしだ.なお,iPhoneのDevialetアプリでWiFi経由で音量をリモコン操作する場合には操作後すぐにアプリを終了するようにしている.

ブログを書いている今,ときどき下書きとして保存,つまりサーバへの送信が行われる.この場合WiFiを使うわけで,やはりその影響は現れ,My-D-Premier-AIRの接続がはずれ,パソコン出力に切り替わる.しかし,この場合,ストリーミングがダウンすることはなく,接続を指示しなおせばもとに戻る.WiFiデータ受信のエラーの程度に応じて,当然その処理方法も異なるのだろう.

音質についていえば,長時間の演奏後になんとなく音がくすむ,というか,初々しさ,生々しさがなくなってきたと感じたとき,パソコンとアンプのふたつとも再起動すると新鮮さを取り戻す.これもやはりストリーミングプログラムになんらかの問題があることを示唆するものかもしれない.

今のファームウェアでは,長時間演奏の後にバッファ量を自動的に調節して増やすようだ.演奏を停止すると(デフォールト設定値である)50msよりずっと長く演奏が続くし,また,開始すると,やはりそれよりずっと長い時間が経過してから実際に開始される.突然死やしゃっくり対策にバッファ量の設定をいろいろ変えてみたことがあったが,まったく関係しないことを知った.たぶん,プログラムの自動調節が優先されるからだろう.バッファ量が多いほど安全というわけでもないのかもしれない.

リアルタイム処理はむずかしい.環境の変動に強い頑健なシステムが望ましいが,頑健さを狙うあまり安易なエラー処理や平準化処理を強めれば音の切れ味と強さ,生命力が失われる.このあたりの考察は,従来のジッタ論を含めたディジタルオーディオ談義で,まったくされてこなかったのではないだろうか.その意味でもDevialetのアンプはオーディオの未踏領域を切り開きつつある,と言ってよいのではないか.トラブルに屈することなくがんばってほしい.

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